生命保険の加入をすすめられるときによく聞くのが「生命保険料控除」。
年間の保険料の半分が返ってくるから!というような説明を受ける方もいるようです。
でも、ちょっと待ってください。
そもそも生命保険料控除って?
何だかよくわからないけど控除があるなら、と保険に入るのは危険です。
今回は、生命保険料控除をわかりやすく、かつ本当にお得なのかを解説します!
生命保険料控除って?

生命保険料控除とは、生命保険に加入することで控除を受けられ、支払う所得税と住民税が少なくなることです。
キャッシュバックがあるわけではないので注意しましょう。
「でも支払う税金が安くなるのはありがたいよ」
確かに税金が安くなるのはありがたいですよね。
しかし税金を安くするために・控除を受けるために、生命保険に加入することはお得なのでしょうか?
結論、お得ではないです!
生命保険料控除の額を知ろう!

なぜ、生命保険料控除がお得とは言い切れないのか。
たった3つの言葉を知るだけでわかります!
所得税について知っておきたい3つの言葉
- 収入(年収)➡税金が引かれていない、会社が会社員に払う1年間のお金。
- 課税所得➡収入から様々な控除を引いた、税率が当てはめられるお金。
- 控除➡収入のうち税金がかけられないお金。
所得税とは、収入から様々な控除を引いた課税所得に税率(課税所得の額で決まる)を適用して算出される税金です。
年収500万の人を例にあげます。
年収500万で、16歳以上の子どもがいない場合、給与所得控除・基礎控除・社会保険控除により、課税所得は約240万ほどになります。
この人が、年間8万円の一般生命保険に加入した場合の控除額は4万円です。
240万円から4万円引かれた金額、つまり236万円に税率が適用されることになるのです。
この結果、実質的に4000円分払う所得税が少なくなります。
生命保険料控除は、住民税にも適用されます。
住民税は「課税所得の10%」が目安なので、年収500万の人の住民税は24万円です。
年間8万円の生命保険に加入した場合、控除が3万5000円受けられます。
この結果、実質的に3500円分払う住民税が少なくなります。
年収500万円の人が、年間8万円の一般生命保険に加入した場合
控除金額➡4万円(所得税)+3万5000円(住民税)=7万5千円
実質的に返ってくる金額➡4000円(所得税)+3500円(住民税)=7500円
つまり…
年間8万円の一般生命保険に加入した場合、7万5千円お得になるのではなく、7500円支払う税金が少なくなる!
7500円のために、年間8万円の生命保険に加入するべきでしょうか?
もちろん、生命保険が必要な人は、加入をして控除を受けるべきです。
その場合、保険会社から10月頃に送られてくる書類を、会社に提出しましょう。
しかし生命保険料控除が受けられるという営業トークで、生命保険の加入を考えているのであれば慎重に考えましょう!
ぜひ利用したい税金の控除もある

生命保険料控除は額が小さく、控除を期待しての加入はお得とはいえません。
しかし税金の控除や税金対策のなかには、絶対に利用したい非常にお得なものもあります。
その一つが「ふるさと納税」です。
絶対にやっておきたいふるさと納税について知りたい方は以下の記事をご覧ください↓
【やらなきゃ絶対損】ふるさと納税のすすめ!実は簡単な申告方法
税金の控除ときくと、よくわからない計算式や細かい数字ばかりが出てくる面倒な感じがしますよね。
しかし税金について知らないと、お金を稼いだらその分だけ税金でお金が無くなります。
だからこそ税金について知り、控除を受け、節税をして、支払う税金が少なくしてその分だけプチ贅沢でもしましょう!
- 生命保険料控除とは、生命保険に加入することで控除を受けられ、支払う所得税が少なくなること。
- 生命保険料控除が目当てで、生命保険に加入するべきではない。
- 生命保険料控除は、キャッシュバックではない。
- 所得税について知るには【収入(年収)】【課税所得】【控除】という言葉を知ればよい。
- 生命保険料控除は、年間の保険料によって異なる。
- 生命保険料控除が5万円の場合、5万円返ってくるわけではなく、返ってくるのは5000円。
- ふるさと納税など、会社員でも利用できる税金対策や控除がある。